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だれにでもあるわけでない 実際は選ばれた人たちのもの それ以外は歯車のひとつ ただ歯車にもこころがあり家族がある 平凡な毎日にも立派な存在価値が そう思える人たちがしあわせをつかむ 不幸にも選ばれなかったひとは 平凡な毎日さえなく 人殺す夢ばかりにうなされ 家族もなく家もなく 逆恨みする人もなく なんの武器も金も食い物さえ それでも生きている それだけがしるしだ 喉からくだまきがせりあがってくる 過去の思い出が心臓を鷲づかみにする 逃れるすべはあの樹の枝で首をくくること もうその気力もなくたださまよう 早く消えて欲しいいのちの火をわずかにともして ゆくべき場所はどこにもない たよるべき人もどこにもいない 世の中はやがてそんな人たちであふれ ぼくもそのひとりになって ゴミ箱から餌をあさる ただ生きる妄念に支えられ それもなくなれば その場で倒れそのままとなる ときどき廃棄物処理のトラックが通り 道ばたのゴミのような死体を入れて 骨まで解ける化学処理上で無に帰す 墓もなく無縁仏の卒塔婆もなく ただほんとうの無となり 悼む人もいない 枯れた木はまた芽がふき 新しい葉を茂らすけれども 一度消え去った人の再生はまったくありえない これからだれに存在価値があるというのか ぼくは溶けさる骨の最後まで無価値であることを恨んでいる |
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